北九州の街をゆっくりと歩いてみませんか

“小倉城下”から“黒崎宿”について

 長崎街道の起点は、紫川に掛かる常盤橋西詰です。ここから黒崎宿までの行程は約13キロで、小倉城下から黒崎宿まで内陸部の最短コースを結んでいました。明治時代以降、この長崎街道沿いには九州鉄道や路面電車の軌道が敷設され、交通の大動脈として重要な役割を担っていました。現在は、小倉中心部と黒崎を結ぶ路線バスの幹線が走っています。気軽に長崎街道跡を散策される方は、路線バスを利用されると便利です。
 紫川に掛かる木の橋=常盤橋から室町商店街を抜け大門跡から安国寺、竪町界隈は旧市街が残り懐かしさを感じる街並みです。清水付近に来ると、清水寺・円応寺・本就寺・大満寺のほか、街道跡が残っている水かけ地蔵周辺など史跡が点在しています。
 八幡東区に入ると豊前領最西の番所だった荒生田番所跡があります。番所跡から板櫃川を渡った高見中央公園には「荒生田の一里塚跡」があり、約200メートル西の住宅地の中には雄大な「三条の国境石」が鎮座しています。ここからが筑前領でした。長崎街道は大蔵から緩やかな坂を下り東田地区の博物館群を抜け、さらに西本町、尾倉と進みます。八幡図書館前庭に国境石、前田3丁目南公園には「前田の一里塚跡」があります。陣山から八幡西区に入り、JR鹿児島本線を横断した田町2丁目の黒崎城跡南側に黒崎宿東構口跡があります。

ちょっと歩いてみませんか!

■鎮守の森と、せせらぎ探索コース(所要時間 約1時間30分)
 コースに3つの神社があるのが特徴です。神社は、うっそうとした森に囲まれ、緑が疲れを癒してくれます。茶屋町橋梁下の槻田川には小魚が泳ぎ、また一里塚から国境石にかけて、板櫃川沿いを歩くと「水辺の楽校」として整備された“せせらぎ”を楽しめます。また、八幡製鐵所の幹部社宅街があった高見地区の変貌も見どころの一つです。


■文学碑と博物館ゾーンと製鐵所の里コース(所要時間 約1時間30分)
 高炉台公園で北原白秋、岩下俊作、次いで諏訪町周辺で竹久夢二の文学碑などを見た後、大変貌した東田に入ります。八幡製鐵所の工場跡にスペースワールドや大型商業施設が続々建つ一方、近代化遺産も保護されました。博物館ゾーンとして3施設が集約された地区は、過去と未来を思索するコーナーです。


■野外彫刻と芸術のコース(所要時間 約2時間)
 このコースには6つの彫刻作品があります。1987年、八幡で開かれた国際鉄鋼シンポジウムをきっかけに、八幡は現代美術のメッカになり、現代美術センターCCA北九州では国内外の若いアーティストが勉強を深め、百三十銀行ギャラリーではその作品展も開かれています。