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八幡西区畑

華姫・六郎太物語

 

 戦国時代のことです。企救郡西谷の永野良義の城は、落城寸前でした。必死で許婚桜丸の名前を呼ぶ目の不自由な女性がいました。
 良義の娘、華姫です。姫は熱病のため、目が見えませんでした。姫が呼んでも、桜丸の声はありません。
 家来の六郎太は、姫を城の外へ連れ出そうとしました。しかし、姫は「桜丸さまと一緒でないといやです。」と言って動きません。六郎太は、「私が桜丸さまを探してきます。」言うと、自分ののどを切り、声を変えて桜丸のまねをして、つれて逃げました。
  二人は、香月音滝山の白縫の滝で生活を始めました。目の病気に御利益がある「白縫の観音」があり、六郎太は姫の目に光がもどるように願をかけていました。そんなある日、ついに追手に発見されてしまいまた、六郎太は姫のため、一人で戦いましたが、かなわず殺されてしまいました。姫も逃げる途中谷底へ落ちました、
 どうにか命だけは助かりました、そのとき姫は、不思議にも目が見えるようになっていました。姫は、必死で桜丸をさがしました。しかし、姫の目にしたのは桜丸ではなく、死んでいた六郎太の姿だったのです。その後、姫は尼になって生涯、六郎太のめい福を祈りました。

【アクセス】 北九州都市高速馬場山インターより車で12分